ヴァリアン様

前期の学習会で、個人の選好関係についてお勉強しましたね。
そこでは以下のような仮定が置かれていました。

(1)完備性(completeness)
(2)推移性(transitivity)
(3)反射性(reflexivity)

個人の選好関係が上の3つを満足するとき「選好関係は合理的である」といい、
このとき効用関数(utility function)が存在する。(効用関数は選好関係を表現するための1つの”ツール”であった)
さらに、

(4)単調性(monotonicity)
(5)凸性(convexity)

が満たされると、最適解がユニークに定まり、また

(6)連続性(continuity)

を満たせば効用関数は連続となる。

そして(1)〜(6)によって、効用関数は準凹関数(quasi-linear function)になる。

(以上前期学習会の復習)


私が大学に入学して勉強し始めてからずっと疑問に思っていたのが、(5)単調性の仮定です。

この仮定によって無差別集合(indifference set) が無差別曲線 (indifference curve) となり、さらに飽和点を排除することができるのですが(局所非飽和の仮定)、

はたして現実的に妥当なのか??

というのがずっと頭の中にあったのです。

が、今日、ヴァリアンのおかげでこのモヤモヤが解消しました!!!

前期、ここの部分でモヤモヤッとしていた皆さん、是非ヴァリアンの本をご一読くださいませ!!
モヤモヤ解消のヒントはここにあり↓↓


H.R.ヴァリアン(2007)『入門ミクロ経済学 第7版』勁草書房


日本人の学者が書いた本だと、経済学的インプリケーションがつかめないものが多いので困りますよね。
特に誰とは言いませんが、「入門書を読むための入門書」と書かれた本で、下級財(inferior good)をこのように説明してありました。

「その財の需要関数Dを所得mで偏微分したものが負となる財である」

これじゃ数学的にはピンと来ても、経済学的には何のことやらチンプンカンプンですよね〜

ヴァリアンは違いますよ!!

『入門』と訳されていますが原著では『intermediate』なので入門書が終わってからがよいと思います。
つまり・・・

あわせてマンキューもどうぞ(笑)


(文責:msyp_gern)